アフリカ最大の経済大国・南アフリカへの株式投資。経済・政治・財政のファンダメンタル分析〜一人当たりGDP水準が中所得国の罠に突入?〜

 

南アフリカ」と聞くとどのようなイメージがありますか?

経済誌を見れば開発途上国のニューリーダー、豊かな自然に溢れ、アフリカ最大の経済大国です。

治安が著しく悪いイメージがあるのも、アフリカならではですね。

今回は新興国の株式投資をする上で、南アフリカは魅力的な国と言えるのか、

ファンダメンタルな側面で分析をしてみたいと思います。

南アフリカの政治と財政

南アフリカの政治、といってもそもそも国の歴史すら何も思い浮かばない人が多いのではないでしょうか。

南アフリカで起業する日本人が最近では非常に増えており、

商社やメーカーもどんどんアフリカ進出を加速させていますよね。

南アフリカは世界経済インデックスファンドの新興国株にも組み入れされているという特徴もあります。

世界経済インデックスファンドはおすすめ?積立投信の利回りを徹底評価!~新興国投資信託を切る~

そんな注目が集まる南アフリカですが、

どのような歴史を歩んできたのでしょうか。

以下は歴史年表です。「南アフリカ連邦」として独立したのは1900年代なのですね。

年月 略史
1652年 オランダ,ケープ植民地設立。
1910年 「南アフリカ連邦」独立。
1961年 英連邦から脱退し共和制移行(「南アフリカ共和国」成立)。
1991年 アパルトヘイト関連法の廃止。
1994年4月 初の全人種参加型の総選挙を実施。
1994年5月 マンデラ政権成立。
1995年11月 全人種参加の地方選挙を実施。
1997年2月 新憲法発効。
1999年6月 第二回総選挙実施,ムベキ大統領就任。
2004年4月 第三回総選挙実施,ムベキ大統領再任。
2008年9月 ムベキ大統領辞任,モトランテ大統領就任。
2009年4月 第四回総選挙実施。
2009年5月 ズマ大統領就任。
2014年5月 第五回総選挙実施,ズマ大統領再任。
2018年2月 ズマ大統領辞任,ラマポーザ大統領就任

(引用:JETRO

直近ではラマポーザ新大統領が就任したばかりで、政策に注目が集まるところです。

ラマポーザ新大統領

出典:日本記者クラブ

新大統領・ラマポーザ氏に対する期待は大きく、

現在南アフリカにある課題は山積みですが、

新年度予算案の発表と、政府や党内の腐敗体質を改善すべく内閣改造を実施、

低迷する経済を成長軌道に乗せるべく政策は推進していっています。

財政をみていきましょう。

南アフリカ財政

出典:南アフリカ財政

次の項目でも解説しますが、

南アフリカの経済成長が鈍化する中、

財政赤字は、対名目GDP比率4%強と非常に問題のある水準で留まっています。

南アフリカ電力公社Eskom社南アフリカ航空

日本でいえば東京電力とJALが経営難に陥っている状況であり、

政府から国有企業への支援が続いています。

加えて、2018年度から「大学教育無償化」を実行していることから、

政府の歳出は増加し続けています。(教育に関しては本文内で再度触れています)

未来への投資という位置づけから、しばらくは財政赤字の縮小は進まないでしょう。

南アフリカ経済の現状、GDP成長率の推移を把握しよう

そんな南アフリカですが、経済成長は今後見込まれるのでしょうか。

株式投資を実行するにあたり最も重要なポイントですよね。

南アフリカGDPとその成長率

IMF databaseより筆者作成

リーマンショック前までは5%台の経済成長を誇り、一時はマイナス成長となってしまいましたが、

その後も1-3%内で落ち着かず、現在は2%台で推移する見通しです。

新興国の経済成長で気にしなければならない指標に「一人当たりGDP」もありますよね。

これは、新興国が産業シフトを求められる「中所得国の罠」が長期的な経済成長の肝となるためです。

「中所得国の罠」は一人当たりGDP10,000USDの水準であり、

具体的な定義は以下の内閣府の文章が参考になります。

「中所得国の罠」とは、多くの途上国が経済発展により一人当たりGDPが中程度の水準(中所得)に達した後、発展パターンや戦略を転換できず、成長率が低下、あるいは長期にわたって低迷することを指す。

(引用:内閣府

それでは具体的に、南アフリカの一人当たりGDPをみていきましょう。

南アフリカ一人当たりGDP推移

IMF Darabaseより作成

南アフリカの一人当たりGDPは2017年度末で6,180USDでした。

中所得国の罠に近づいていますね。

現在経済成長率が2%台とアジア新興国の5%や7%などの成長率ではなく、

まだ少し時間が掛かりそうですが、

それまでに労働集約型から技術集約型に産業シフトできるよう「教育」に力を入れる必要があります。

南アフリカは識字率は90%を超えており、義務教育も日本と同様15歳までとなっています。

南アフリカは1994年より文部省予算に国家予算を最も配分しており、

今後も教育の発展は見込むことができそうです。

この点は少し安心ですよね。

南アフリカの人口は今後も増加する?人口推移、人口ピラミッドを考察

経済の動向を予測するに当たって、最も重要なのは「人口」です。

人口が増えなければ内需は拡大せず、消費活動、労働活動が活発化せず、

経済は落ち込んでしまいます。

南アフリカの人口をみていきましょう。

南アフリカ人口推移

IMF Datavaseより筆者作成

綺麗に右肩上がりで上昇していますね。

2017年時点では約5500万人となっています。

国土面積が日本の3.2倍なので、人口密度はそこまで大きくないですね。(広大な土地があるので仕方ないことですが)

国・地域名 南アフリカ共和国 Republic of South Africa
面積 121万9,090平方キロメートル(日本の3.2倍)
人口 5,652万人(2017年央推計、南ア統計局)
首都 プレトリア 人口292万人(2011年国勢調査時点)
言語 英語、アフリカーンス語、ズールー語ほか
宗教 キリスト教(80%)、ヒンズー教、イスラム教
公用語 英語、アフリカーンス語、ズールー語など11言語
独立年月日 1910年5月31日

(引用:JETRO

ではこのまま南アフリカの人口は今後も増加していくのでしょうか?

若年層の人口基盤がなければ労働生産力、消費面で足を引っ張ってしまいます。

日本はご存知の通り、高齢化で今後の経済成長がかなり厳しいという見方をされています。

以下は南アフリカの人口ピラミッドです。

南アフリカ人口ピラミッド

出典:南アフリカ人口ピラミッド

29歳以下の人口のボリュームゾーンが大きく、将来性があります。

均等な若年層の人口ボリュームとなっているのは驚異ですね。

今後も外資が積極的にアフリカに参入していき、南アフリカの言語は英語となりますので

産業はどんどん発展していくと考えます。

南アフリカのGDPを支えているのは?

南アフリカのGDPを支えているのはどの産業なのでしょうか?

南アフリカ産業別GDP

出典:南アフリカ産業別GDP

金融不動産、政府サービス、商業などが多くを占めています。

新興国は基本的に、農林水産業→製造業→金融サービスなどの順番に産業が発展するものですが、

南アフリカは先にサービス業が発展していますね。

南アフリカの輸出入先・他国に依存性はあるのか?

貿易相手が例えば中国などに依存してしまっていると、

中国の経済減速が進めばそのぶん煽りを受け、南アフリカ経済の低迷にも拍車がかかってしまいます。

→ 中国経済の実態は崩壊寸前??2018年からの中国の成長可能性について徹底分析

まずは、輸出入品とその相手国をみていきましょう。

南アフリカ貿易統計

出典:公益財団法人 国際通貨研究所

輸出の面では、

  • 白金
  • クロム
  • 鉄鉱石
  • 石炭

など「鉱物輸出」に依存しており

  • ドイツ、英国を中心としたEU 諸国、
  • 南部アフリカ関税同盟加盟国 (SACU)、
  • 中国、
  • 米国、
  • 日本

と続きます。

輸入面では、サウジアラビアからの原油輸入に依存しています。

南アは資源国ながら非産油国であることが理由となっています。

工業製品はドイツや英国、中国、サウジアラビアなどからの輸入が多く、

国単位では輸出入とも中国が最大の相手国となっており、

その点は株式投資をする上では大きな懸念点となりますね。

この記事のまとめ

ここまで南アフリカのファンダメンタル分析を実施してきました。

新興国株式投資、南アフリカへの投資を考える際には、

上記のファンダメンタルに加えて、

株式市場動向、有望銘柄、為替リスクに対しても理解しておく必要があります。

別途その点は解説していますので参考にしてみてくださいね。

以上、アフリカ最大の経済大国・南アフリカへの株式投資。経済・政治・財政のファンダメンタル分析〜一人当たりGDP水準が中所得国の罠に突入?〜…の話題でした。

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