2020年以降の新興国株式の見通しを解説!投資時期はまさに今?

私は「新興国株式」を主な投資対象としています。

理由は高い経済成長に伴って株式市場も上昇していくのが摂理であるはずだからです。

今回は今までの新興国株式市場の状況を整理した上で、今後の新興国の株式市場の先行きについて考察していきたいと思います。

2016年中盤まで不調が続いた新興国株式

 

まだまだ記憶に新しい、2014年の中国経済の減速懸念に端を発した資源価格の下落。

 

これに新興国株式市場は影響されました。

結果的にリーマンショックから一早く立ち直った新興国経済でしたが、2010年の7%台の成長率から4%台の成長率に落ち込みました。

 

この発端は中国経済の失速が顕在化したことです。

リーマンショックから立ち直る為に打った60兆円規模の財政出動が、過剰生産能力、過剰債務が重しが要因となっています。

 

また先進国の動向にも新興国経済は強く影響を受けます。

特に先進国の金利水準と新興国への資金の流入の間には強い関係があります。

 

先進国の金利が上昇すれば先進国の資金が自国に還流します。

日本のように超低金利が持続すれば高いリターンを求めて新興国への資金が流入していきます。

 

米国での金融緩和が終息し2013年に量的緩和を終了したことに伴い米国の利上げ観測が出てきたことも新興国の不調の要因となっておりました。

投資家としては米国で高いリターンが狙えるのであれば、敢えて新興国に投資をする必要はありませんからね。

 

実際に米国の政策金利が本格的に上昇したのは2017年からでした。

しかし、金融市場では先取りして利上げを織り込みにかかります。

中央銀行が匂わせ始めた2013年後半から米国への資金還流が始ったのです。

 

その為、2012年から2016年までの期間では新興国が成長率が一貫して高いにも関わらず、

先進国株式が50%上昇する一方、新興国株式は2%の下落となってしまいました。

 

この間、リーマンショックの震源地でありながら一早く経済を立て直した米国株とアベノミクスにより活況に沸いた日本株が非常に堅調な時期となっていました。

 

出遅れを取り戻し始めた2017年 ーチャートで確認する新興国株式の復調ー

低迷していた新興国市場でしたが中国経済の景気モメンタムが2015年に上向きはじめました。

中国が実施した金融緩和や住宅ローン頭金規制の緩和、企業減税、大型インフラプロジェクトの推進を政府が必死に実施した為です。

 

中国政府としても6.5%以上の成長率は死守していくと見込まれています。(それが延命処置であったとしても、、)

2010年に習近平国家主席が国民所得倍増計画を達成する必要があるためです。

 

更に先進国で引き続きお金がじゃぶじゃぶな為、高いリターンが見込まれる新興国市場に再び資金が流入し始めたのです。

予想されたよりも漸進的な米国の利上げのペースとまだ出口を明言できない欧州や日銀の金融緩和に出口が見えないためです。

 

上記は新興国のG4即ち、米中央銀行FRB、欧州中央銀行ECB、日銀BoJ、英国中央銀行BoEのバランスシートの拡大の過程と今後の見通しです。

バランスシートというのは中央銀行の通貨供給量とほぼほぼ読み替えることができます。

 

つまり先進国は中央銀行から大量の通貨が供給される金あまりの状況となっています。

先進国内で行き場を失ったマネーが新興国に流入した結果、以下のように2017年に新興国株式がキャッチアップを始めました。

 

新興国株と先進国株の値動きの比較

参照:jPモルガン

 

米中貿易戦争が重しとなっている2018年〜2019年

遅れを取り戻しつつあった新興国株式市場でしたが米中貿易摩擦によって暗雲が立ち込めています。

以下は2017年からの全世界、米国、新興国の株式市場の値動きです。

2017年に堅調に推移した新興国株式市場でしたが2018年前半から急激に軟化しています。

結果的に2017年からの約2年間で全世界や先進国の代表である米国に比べて悪いパフォーマンスとなっています。

 

2017年以降の新興国の株価の動きを先進国と比較

Backtesut Portfolioより管理人作成

 

原因は皆さんご存知の通りトランプ大統領と習近平国家主席による米中貿易摩擦の長期化です。

丁度新興国株が軟化し始めた時期から貿易戦争が開始され現在も解決の目処がたっていません。

 

米中の貿易摩擦の経緯

参照:時事ドットコム

 

今後も引き続き新興国株式市場のみならず、世界の株式市場に大きな重しとなるでしょう。

特に新興国においては中国と中国に大きく依存する国で時価総額の多くのポーションを占めています。

中国からは影響を受けにくい資産への投資を検討していく必要があるでしょう。

 

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今後の新興国株式市場の見通し ーポジティブな側面ー

それでは今後の新興国株式市場の見通しについて様々な側面から切っていこうと思います。

 

堅調な成長が予想される新興国経済-増加する人口-

当然のことながら『鶏たまご』ではありますが経済が成長すれば、株式市場もそれに伴って上昇していきます。

今後も一貫して新興国の成長率は先進国を上回り続けます。

 

経済成長率の推移
(引用:IMFデータを元に管理人が作成)

 

今後も新興国の経済成長率は高水準を維持していきます。

しかし、先進国は人口減少を伴い成長が減速するので成長の格差は拡大していくのが確定的となっています。

新興国の人口は若年層が末広がりとなっています。

今後生産人口(15歳~60歳)が増加することによって経済成長が加速していくことが予想されます。

 

現在既に全世界の90%近くを占める新興国の人口は、今後更に比率を拡大させながら上昇していくのです。

先進国と新興国の年齢別の人口構成

参照:JP Morgan

 

更に消費が急速に拡大する1人あたりGDPが5,000USDを超える中間層以上の割合の急拡大も予想されています。

中間層では家電の購入や自動車などの需要が急拡大する水準である為、消費需要の急拡大を伴い経済成長が加速していくのです。

 

新興国の中間層・富裕層の拡大

参照:経産省

 

 

企業利益(EPS)の復調

ひふみ投信の藤野英人氏も名言している通り株価というのは概ね企業の利益に連動する傾向があります。

当然稼いでいる企業の株価は上昇しますよね。

実際以下の新興国株のEPSと実際の株価の連動をご覧下さい。

EPSというのは一株当たり利益のことでEPSと株価は完全一致とまではいきません。

しかし『株価 = EPS × PER』で算出できるため概ね連動しております。

 

新興国株式のEPSの推移と今後の予想

参照:野村證券

 

EPSは2016年を底として回復の兆しを見せています。

今後の予想利益を元に算出される予想EPSは増加傾向にあることから株価も上昇モメンタムとなることが予想されます。

 

依然として割安な新興国株式市場

2018年現時点でGDP規模は40%をしめ、2023年時点では45%に上昇することが見込まれています。

先進国と新興国の経済規模の推移
(引用:IMF Data Baseより筆者作成)

 

2000年から急拡大している新興国の経済規模に比して現時点(2019年10月)では株式市場では全体の22%を占めるに留まっています。

時価総額の先進国と新興国の比率

参照:IMFより管理人作成

 

実際経済成長を一番おこなっているのは新興国であるにも関わらず2009年からの株価の上昇率は米国の半分以下となっています。

新興国株式の出遅れ

 

また、新興国の株式市場も40%以上が中国となっています。

中国は上記期間において株価がバブル気味でした。

つまり中国以外の株式市場は経済規模に対して割安な水準となっていることが分かります。

 

因みに中国は新興国の経済規模の30%を占めるにとどまっているので株式市場の占める割合の方が大きいのです。

一般的な傾向として、1人あたりGDPが低い国では国民が株式を購入する余裕がありません。

結果的に株式市場が開設されていない又は上場企業数が少ないという傾向があることが影響していると思われます。

 

日本でもあまり1960年代の段階で株式投資を行っていた人はいませんでしたえよね。

現在ですら先進国の中では低水準ではありますが、、

今後経済が成長することにより日本の1970年~80年代のように株式市場が急拡大する局面の国が新興国が多く存在していることの裏返しでもあるのです。

 

再び緩和傾向となる先進国の金融政策

米国や欧州、日本の先進国が金融緩和から脱して金利を引き上げると新興国から先進国に資金が還流します。

特に利上げ貴重であった米国の金融政策が景気の先行き不安に伴い再び利下げに転じています。

 

更に緩和から抜け出そうとしていた欧州の中央銀行も利下げに転じています。

再び利下げに転じた先進国の政策金利

参照:時事通信

日銀が緩和からの出口となる道筋は全く見えない状況なので先進国の資金がじゃぶじゃぶの状況は継続します、

高いリターンを求めて新興国への資金の流れが起こりやすい環境にあるといえるでしょう。

 

今後の新興国株式市場の見通し ーリスクを把握ー

今までは新興国株式を見通す上でポジティブな側面を見てきました。

次に新興国株式市場に対して重しとなりうるリスクについて整理していきたいと思います。

主に火種となっているのは中国です。

中国は時価総額、GDP共に大きなウェイトを占めているのでフォーカスしていきたいと思います。

 

リスク①:長期化し出口が見えない米中貿易摩擦

米中貿易摩擦が新興国だけでなく世界経済の重しになっていることは言を待ちません。

2018年に勃発した米中貿易摩擦は以前として継続しています。

米中の貿易摩擦の経緯

参照:時事ドットコム

 

株式市場では先行きが不透明であることを嫌気します。

両者の貿易戦争が決着するまでは常に株価に重しとなることでしょう。

 

リスク②:中国のハードランディング

2014年からの新興国の失速は中国の過剰生産能力・過剰債務・過剰労働力が顕在化したことに端を発します。

依然として本質的に解決されていません。

特に問題なのは非金融企業の債務がGDPの200%を超える水準であるということです。

政府の債務は少ないですが、国営企業を始めとした企業の債務が増大しているのです。

 

各国の非金融機関の債務比率

(引用:各国の金融債務)

 

既に日本のバブル崩壊時の水準に達しています。

通常の資本主義経済であれば確実に経済が崩壊するような水準でも共産党の統制経済の中でも、なんとかソフトランディングに持っていこうとしている状況です。

個人的にはいつか中国経済はあるべき水準への是正が為されるとみています。

しかし、2020年の2010年比所得倍増目標までは巡航速度を何としても保つと考えています。

そのため、当面は大きなリスク要因にはならないと見ています。

 

ただ新興国株式に投資を行う場合は、中国又は中国に大きく依存をしている経済を持っている国への投資は控えたほうがよいといえるでしょう。

 

リスク③:軟調な新興国の経済センチメント

景気のセンチメントはGDP成長率よりも先の経済の雲行きを占うのに重要な指標です。

以下100を上回れば景気が上向きに100を下回れば景気が下向きとなるよう設計されているOECD景気先行指数をご覧ください。

 

中国の低迷するOECD景気先行指数

参照:三井住友銀行

 

OECD(経済協力開発機構)が、主要国の経済指標に基づき作成する指数。

世界景気の転換点を探る指標として、国内総生産(GDP)などより6カ月程度先行するよう設計されている。

(引用:東海東海証券)

 

新興国の主要なパートを占める中国の景気先行指数は大きく下落しております。

再び中国の景気減速が顕在化する可能性は否定できません。

 

総括とおすすめの投資法

新興国株式は2014年~2016年の冬の時期を終え、2017年から復調の兆しが見えてきています。

しかし、2018年からの米中貿易摩擦や世界経済の減速懸念もあり失速気味となっています。

 

しかし、新興国の経済成長率は引き続き上向きで先進国との差は拡大する一方です。

新興国が世界経済の主役になる時代はすぐそこまで近づいてきています。

 

一方、経済規模に比して株式市場は依然として割安に保たれている状態となっています。

今後バリュエーションが再評価されることにより大きく株価が上昇していくことになるでしょう。

 

リスクとしては世界経済の失速や中国経済の瓦解が挙げられます。

しかし、経済規模の拡大に伴って当然株式市場も上昇していきます。

長期的にみれば新興国株式の上昇はまず間違いないものとみてよいと思います。

 

このように新興国株式には大きなチャンスが眠っています。

一方で、むやみやたらに新興国株を買い漁れば良いというわけではありません。

 

国としての成長が間違いないとしても株式市場に既に外資が流れ込んでいるような国では、株価の伸びが限定的になってしまう可能性もあります。

 

どの国にたいして、どのような方法で投資を行っていくかをよく考える必要があるのです。(例えば私はヘッジファンドを経由して特定の新興国株を保有する戦略をとっています。)

 

これから新興国投資で大きく収益をあげたい方へ向け、2018年から2019年にかけてどのような投資をしていくべきか、以下(↓)のランキングに纏めました。

ランキングでは以下点を重視しています。

 

  • 経済成長率が安定して高い
  • 大きなリターンが狙える
  • 世界経済の不況に影響されにくい
  • 中国からの影響を受けにくい

 

興味のある方は、一度ご覧頂ければと思います。それでは。

 

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海外アセットマネジメント会社出身者の独自の視点で2018年時点のおすすめの投資先ランキングを作成しています。

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