先進国の仲間入り間近のマレーシア株は停滞気味?株価指数とおすすめの銘柄を徹底分析。

今までマレーシア経済の現状と財政状況とマレーシアの通貨リンギットの見通しについて説明してきました。

<マレーシア株式投資マップ>国・株式市場のファンダメンタルズ分析・為替リスク・有望銘柄を紹介。

 

今回はいよいよ本題となるマレーシア株式市場の魅力について、市場全体、個別銘柄と分析していきたいと思います。

 

マレーシア経済・財政と為替のおさらい

それではまず前回までのおさらいを簡単に纏めていきます。

 

経済は東南アジアでシンガポールに次ぐ水準

 

マレーシアはシンガポールに続いてASEANで一早く発展。

発展途上国がぶち当たる中進国の壁である1人あたりGDP10,000USDの水準を超えてきている。

産業構造も高付加価値のサービス業に軸足が移ってきている。

 

しかし、当然のことながらベトナムやフィリピンのような発展黎明期の国に比べると成長率は低い。

 

今後の問題点としては非常に大きい家計資産の債務が個人消費(国民の消費)に重くのしかかり成長が減速していくことが予想される。

 

対GDP債務比率は東南アジアで最も高く外国人保有比率も高い

 

マレーシアの政府債務はGDP比率は60%と東南アジアの中では最も重い債務比率です。

日本のGDPの比率230%に比べると大したことない水準に思いますが、日本は家計資産で政府の債務を賄っております。

 

しかし上述の通り、マレーシアは家計資産が寧ろ借金を背負っているので政府の債務を外国人の資産に頼っています。

結果として外国人保有比率が30%という水準になっています。

 

外国人は状況によっては本国に資金を引き戻す為にマレーシア国債を売り払う為、

マレーシア国債金利の急騰を伴って更に財政を圧迫する可能制があるのです。

 

すると財政懸念から通貨や株も売られるので株式市場にも甚大な影響が起こり得るという構造的欠陥を抱えているのです。

 

為替レートは持ち直しが期待される

マレーシアの株はマレーシアリンギット建で取引されているため為替レートも円建の投資成果に大きな影響を与えます。

 

通貨マレーシアリンギットは経済の実力に対して下落し続けています。

マレーシア中央銀行は危機感を持ち輸出業者が輸出代金をリンギットに75%買えなければいけないといった為替管理政策を施行している。

 

国際収支もマレーシアに流入超となっています。

今後は多少持ち直すことが期待されることから株式市場にとってはポジティブな内容といえるでしょう。

 

マレーシア株式市場の現状ーチャートとPERを日経平均と比較ー

それでは本題のマレーシア株式市場の現状にうつっていきたいと思います。

青:マレーシア総合指数 赤:TOPIX

 

マレーシア総合指数とTOPIXの比較

参照:ヤフーファイナンス

 

形としては2014年以降伸び悩み直近では下落基調であることがわかります。

特に2017年度の新興国が大きく値上がり(+37.28%)した局面でも停滞しているのはモメンタムが非常に悪いですね。

 

この10年間に新興国のスーパースターとしての動きを見せたインドのセンセックス指数(赤)と比べるとパフォーマンスの差は一目瞭然です。

センセックス指数とマレーシア総合指数の差

参照:ヤフーファイナンス

 

マレーシア総合指数の現在のPERは18.3倍、PBRは1.6倍と若干高い状況です。

日経平均はPER12.1、PBR1.6倍なので日本の方が割安ですね。

株価が上昇していないにも関わらずPERが割高ということはマレーシアの企業業績が総じて芳しくないことを意味しています。

 

全体として成長率が特に高いわけでもなく、特段割安でもないという状況ですね。

 

おすすめ銘柄①:超高配当銘柄の『エアアジアグループ』

エアアジアグループは航空を始めとして金融業を含めたコングロマリットです。

日本でいうところの航空業に軸足をおいた総合商社ににたものと捉えていただければと思います。

三菱商事や三井物産というよりは豊田通商と同様と考えて頂ければと思います。

主要子会社
投資持株会社:AirAsia Investment Limited、Koolred Sdn Bhd
旅行運営会社:AirAsia Go Holiday Sdn Bhd
航空機リース会社:AirAsia (Mauritius) Limited、Asia Aviation Capital Limited
金融関連サービス:TPaay Asia Sdn Bhd
設備取引会社:Rokki Sdn Bhd
コーヒー・ティー製品取引:T & Co Coffee Sdn Bhd
等々

 

一時的とはいえ50%近い超高配当利回り銘柄

同社の株価の指標データをご覧ください。

PER 9.08倍
PBR 1.05倍
ROE 25.27%
配当利回 47.12%

(2019年10月18日時点)

 

特筆すべきはPERがが9.08%と割安なことと配当利回りが衝撃の40%に近い水準となっていることです。

株価が現時点で1.91(MYR)であるにも関わらず予想配当金は0.90MYRという驚異的な数値となっています。

 

しかし、2020年12月期の配当予想は10分の1の0.08MYRとなっているので一時的な高配当銘柄ということになります。

 

ROEも25.27%という非常に効率的な経営を行えているということが分かります。

因みに日本は約10%、米国で約12%なので非常に高い数値ですね。

ROEはバフェットも注目している指標です。

 

売上高は堅調だが利益は軟調

同社の直近の業績は以下のように推移しています。

エアアジアの業績推移

参照:楽天証券から筆者作成

年度
2016/12
2017/12
2018/12
2019/12(予)
2020/12(予)
売上高
6,846.08
9,709.72
10,638.29
11,450.56
12,493.70
営業利益
1,901.80
2,496.17
1,924.52
464.07
683.38
税引前当期利益
1,704.69
2,087.78
1,335.23
597.48
855.50
当期利益
1,621.65
1,628.77
1,967.00
734.11
630.81
EPS(MYR)
0.58
0.49
0.58
0.20
0.18
PER(倍)
2.34
4.04
3.21
9.08
0.08
配当(MYR)
0.12
0.12
0.64
0.90
1.98

 

売上高は順調に拡大しているものの利益指標は今後悪化することが見込まれています。

 

株価は停滞中だが下値は限定的

株価も以下の通り直近は暗い見通しもあって株価は停滞しています。

ただ高配当が期待できるということもあり下値は限定的となっています。

エアアジアの株価推移

予想PERから考えても割安水準であるため下値は限定的と捉えてもよいでしょう。

 

おすすめ銘柄②:業績堅調のペトロナス・ケミカルズ・グループ

ペトロナスケミカルグループも投資持株会社であり総合化学品メーカーです。

以下は楽天証券に記載されている同社の概要です。

同社はオレフィン・誘導体、肥料・メタノール及びその他の3つの事業区分により構成される。

オレフィン・誘導体事業はその他製品の基本的な原料として使用されるエチレンとプロピレン、エチレンオキシド、エチレングリコールとブタノール化学物質などの中間製品を含む各種オレフィンとポリマー製品、

並びに基本的な高機能化学品などの酸化エチレン誘導体の供給、取引、製造、販売及び輸送を行う。

肥料・メタノール事業はメタノール及び窒素、リン酸と複合肥料の生産・販売を行う。その他事業は石油化学製品業務の支援などを行う。

 

業績は堅調に推移してきたが今年はスランプ

以下は同社の業績推移と2019年12月期、2020年12月期の業績予想です。

ペトロナスケミカルズグループの業績推移
年度
2016/12
2017/12
2018/12
2019/12(予)
2020/12(予)
売上高
13,860.00
17,407.00
19,576.00
17,341.36
20,424,85
営業利益
4,046.00
5,240.00
5,559.00
4,293.68
税引前当期利益
4,110.00
5,236.00
5,650.00
4,295.99
4,751.95
当期利益
2,932.00
4,177.00
4,979.00
3,614.74
3,962.31
EPS(MYR)
0.36
0.52
0.62
0.45
0.50
PER(倍)
19.05
14.75
11.79
16.03
0.26
配当(リンギット)
0.19
0.27
0.32
0.24
0.26

今年は業績が下がっていますが来年の決算では持ち直しが期待されています。

ROEも高い水準を維持していますので今後が期待される銘柄です。

ROE 16.01%
配当利回 3.2%

 

株価は一時的な業績の落ち込みで割安な水準に

以下は同社の株価の推移です。

一時的な業績の落ち込みにより株価は下落してますが持ち直しの兆しを見せています。

ペトロナス・ケミカルズ・グループの株価

 

株価指標からも割高ではない水準となっています。

PER 16.0倍
PBR 1.86倍

(2019年10月18日時点)

マレーシア株はSBI証券と楽天証券で簡単に購入可能

マレーシア株は代表的なネット証券である楽天証券とSBI証券で簡単に購入することが可能です。

 

市場全体に投資をしたいのであればETFという選択肢もありますし、そのまま個別株に投資をすることも可能です。

 

またテーマにそった投資信託もあるので検討してみても良いでしょう。

ETFは儲かるのか?仕組みとメリット・デメリットをわかりやすく解説

 

マレーシア株式投資の総括

マレーシアの株式市場は全体としては割安ではなく、成長力も他のASEAN諸国と比べて乏しいということもあり投資するメリットはあまりありません。

 

一方、個別株ベースでは割安度・配当利回りの観点から投資を検討するに値する魅力的な銘柄も存在しています。

 

しかし、各銘柄も実際のところの事業内容や利益推移についてはマレーシアの会社のホームページを見て投資家向け資料を読み込まなければいけません。

 

米国や日本の投資家向け資料は洗練されており例え英語であっても見やすいのですが、新興国の財務諸表は非常にみにくく相当な会計の知識が必要となります。

 

その為、投資をする際は見えにくいリスクを抱えている可能性を常に念頭におきながら注意を行う必要があります。

 

おすすめの新興国への投資手法

マレーシアの企業は総じて業績が悪化しています。

全体的な軟調な中で相対的に有力という意味では今回紹介した銘柄に投資をするのもありでしょう。

しかし、折角高いリターンを求めるために新興国投資を行うのであればマレーシアに固執する必要はありません。

 

マレーシアは現在新興国の中では成熟している国です。

成長の速度としては高度成長の時期を脱しています。

 

折角新興国投資を行うのであれば日の出の勢いの国に投資するのが合理的です。

筆者が今一番力を入れているのがバングラデシュへの不動産投資です。

バングラデシュはインドと中国の間に挟まれた今後世界の中心になる新興国です。

 

バングラデシュは日本の高度経済成長初期の生き写しで首都ダッカの人口密度は東京の3倍もあります。

以下のコンテンツでバングラデシュ不動産の魅力についてお伝えしていますので参考にしてみてください!

 

▷ [バングラデシュ不動産]人気のアジア新興国不動産セミナーに参加し出資したのでレビュー。

[2018年・最新の個人投資家向けおすすめ投資先ランキング]

海外アセットマネジメント会社出身者の独自の視点で2018年時点のおすすめの投資先ランキングを作成しています。

老後に向けての資産構築を考えている方は特に参考にしていただければと思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です