中国経済の実態は崩壊寸前??2019年からの中国の成長可能性について徹底分析

 

中国といえば言わずとしれた、2009年に日本のGDPを超えて世界第二位の経済規模を誇る大国です。

 

中国を語らずして新興国を語ることはできないばかりか、世界経済も見ることは出来ません。

 

2010年からの世界は米国と中国の動向によって、大きく世界景気が左右される時代であると言い切ることが出来るでしょう。

現在の中国経済の規模について確認

IMFのData上では2017年末の時点ですと中国のGDPは12兆140億ドル (約1300兆円) となっております。

2017年の日本のGDPが4兆8720億ドル(約530兆円)となっているので抜かされてから8年で2.4倍の差の開きが出てしたまったのです。

高い成長率を誇る中国と無成長の日本では10年も経たずに非常に大きな差がうまれてしまうんですね。

 

因みに世界トップに君臨し続けている米国のGDPは22兆7300億ドルなので、このままのペースでいくのであれば追い抜かすのも時間の問題となります。

日米中の経済規模の推移
IMF Data Baseより筆者作成)

 

話はそれますが、アベノミクスによって日本円建のGDPは成長しておりますが、

ご覧の通り基軸通貨米ドル建でみると殆ど増加していません。

 

むしろ黒田バズーカの時期に落ち込んでいることが分かります。

 

寧ろ東日本大震災時の1USD=70円台に落ち込んだ時の方が世界的にみるとGDPが高かったという悲惨な結果になっていることが確認できます。

 

世界経済の規模が先進国48兆1870億ドル、新興国31兆6770億ドルであることから、

中国経済の規模は新興国経済の38%、世界経済の15%を占めるようになってきています。

 

ここまでの経済規模を誇るようになったのは毎年の高成長によって積み上げられました。

日米中の経済成長率の比較

 

最近までは平均して年率10%程度の成長を継続していたことが伺えます。

本当にこれだけの成長を出し続けているのかは疑問が残りますが、、

 

直近は6%台の成長で失速しており習近平国家主席は『ニューノーマル』と命名して、現在の水準を巡航速度として成長することを目的としています。

 

しかし、6%台といっても世界の平均成長率から比べると高い成長率で、現在でも世界経済の索引役になっています。

世界の経済成長率

 

そもそも中国の経済成長率と経済規模が真実を表しているのかということは別の回で議論するとして、

今回は現在中国が実現している経済成長率が持続可能なものであるのかという点について分析していきたいと思います。

中国経済の減速リスク①:過剰な民間企業債務

まずは債務問題に切り込んでいきたいと思います。

政府債務は少ないが中国企業の債務の伸びは著しい

日本は政府の債務がGDP比200%超ととんでもない水準になっていますが、中国では政府の債務は大した水準にはなっていません。

日米中の政府債務対GDP

 

日本の政府債務は際だっていますね。

 

この債務を解消するためには、最早強烈なインフレを起こして国民にインフレ税を払ってもらうしかないという状況になっています。

日本銀行の金融政策からハイパーインフレの可能性を解説ー破綻へ向かう金融緩和ー

 

一見すると中国は債務が少なくて財政は健全のように見えますが、国営企業などの民間部門に債務を背負わせているだけで、

実態は国全体としては借金漬けという状況になっているのです。(新興国にありがちではあるのですが)

 

以下をご覧頂きたいのですが、中国の企業債務は日本のバブル崩壊時の水準に到達しているのです。

各国の民間非金融部門の債務比率

 

更にモメンタムは上向きになっていることから、収まるところを知らないという状況になっています。

実際の銀行の融資総量も以下の通り鰻登りとなっています。

社会融資残高
(引用:中国ゾンビ企業の撤退促進はなるか)

 

 

企業の債務が大きくなると、利払い費を払うだけで成長投資に回すことが出来ないだけでなく、

場合によっては倒産し生産能力が落ち、従業員が路頭に迷いと悲惨な結果を招く可能性も抱えているのです。

 

まさに日本のバブル崩壊からの不良債権処理に追われる暗黒30年間の二の舞になりかねないのです。

 

更に家計の負債の積み上げも顕著でGDPの45%に達し10年前の二倍の水準になっています。

 

日本は寧ろ1800兆円とGDP比300%の家計資産となっているので正反対ですね。

総じて政府の負債は少ないものの、企業と家計の負債が急増しているのです。

 

負債を抱えている企業と家計が更に消費や投資を拡大させたりすることは難しく、これ以上の経済成長を推進していくのは難しいのです。

因みに日本は東芝に代表されるようにゾンビ企業は1%程度となっています。

コラム:中国のゾンビ企業の割合

中国では債務から発生した利息しか払えない事実上経営破綻状態にあるゾンビ企業の割合が8%に上っています。

 

事実上破綻しており、銀行からの融資によって生き永らえている企業が存在しているにも関わらず、

一向に改善せず事態が深刻になる一方となっています。

ゾンビ企業の整理は赤字の大手国有企業が対象ではなかった。昨年、中国の裁判所が扱った破産案件は前年より54%増えたが、清算された企業は大半がかなり小さな私有企業だったようだ。資産合計が約4500億ドル(約50兆8000億円)に及ぶ2041社の大手国有企業は、死なずにさまよい続けている。

(引用:Financial Times)

 

またゾンビ企業を多く抱えている鉄鋼と石炭産業の淘汰が進めば、

180万人分の失業が発生し経済に深刻な打撃を与えることになります。

中国経済の減速リスク②:過剰な投資の割合

大学でマクロ経済を習った方だったらご存知だと思うのですが、GDPは五つの要素で構成されています。

 

正常に成長する経済では国民の需要の上昇による個人消費の成長によって成長が牽引されていきます。

 

GDP = 個人消費①  + 民間投資(=総固定資本形成)② + 政府支出③  +  純輸出④ (= 輸出 – 輸入)

 

個人消費は国民の消費の総量で、民間投資は国民並びに企業が行った設備投資や不動産投資などの投資の総量。

 

純輸出は輸出から輸入を引いたネットでいくら外貨を稼いだかを表す指標になります。

 

日本や米国のような成熟した経済や健全な成長を行えている新興国では、

個人消費が70%程度を占めていますが、

中国は家計消費が40%未満で一方、投資である総固定資本形成が44%もの割合を占めています。

中国の需要項目別GDP構成比
(引用:経済産業省)

44%という割合は非常に高く、

 

日本の高度経済成長期の最高値では36%であったことを考えると、如何に現在の中国が投資に依存した経済構造であるかということがお分かりになるかと思います。

 

中国は投資主導の経済成長を行ってきたため、今後も成長の巡航速度を維持する為には更に投資を積み増していく必要があります。

 

しかし、上述した通り既に企業も民間も借金漬けである為、更なる投資は難しい状況で既に投資先導型の経済成長は限界にきているのです。

中国経済の減速リスク③:過剰な生産能力

中国では2000年代半ばから先ほどお伝えした投資偏重型の経済成長を続けたことにより生産設備が過剰となっていました。

 

需要を上回る投資が行われてリーマンショックが発生する前の段階で既に問題視されていたいのです。

 

これには地方政府が税収拡大や雇用拡大、

GDP成長を通じた共産党内での地位の確立を目的に、積極的に企業誘致政策を実行したことも後押ししました。

 

企業に安く土地を貸し付けたり、補助金を与えて優遇措置をしいていたのです。

 

更に中国はリーマンショック後にいち早く経済を立て直すために60兆円の財政出動を行いました。

 

短期的には非常に効果のあった政策だったのですが、過剰生産能力に輪をかける状況を引き起こしました。

 

結果として過剰生産能力を特に抱えている鉄鋼・セメント・石炭のセグメントでは、

稼働率が70%を下回っていれば重度の生産能力を抱えていると言われていますが、石炭・セメントでは未だに70%を下回っています。

 


(引用:幻冬舎)

 

これから、過剰設備を解消して生産能力が減少するのに、何故経済が成長していくことが出来るといえるのでしょうか。

中国経済の減速リスク④:人口ボーナスの終焉

高度経済成長期も現在成長著しいインド等の国が、何故急速に成長しているのかというと最大の要因は人口ボーナスです。

 

労働人口が増加すれば自然と生産力がますばかりではなく、消費する人口も増えるのでGDPは飛躍的に増加していきます。

 

以下は日本の1950年時点での人口ピラミッドですが、今からまさに労働人口(15歳~60歳)の人口が増加していく形になっています。

 

実際彼らが経済活動に参加した1960年代から日本の経済成長は加速していきました。

日本の人口ピラミッド

 

中国も成長が本格化した2000年時点の人口ピラミッドは労働人口が増加する形でしたが、現在は労働人口が減少していく形に陥ってしまっています。


(引用:中国の人口ピラミッド)

 

既に中国では総人口自体は2028年までは伸びますが、人口の増加によって経済が成長することが期待できなくなっていきています。

 

また近年、中国がルイスの転換点を迎えてしまったのではないかという論争が巻き起こっています。

1979年ノーベル経済学賞の受賞者であるイギリスの経済学者アーサー・ルイスによって提唱された開発経済学における人口流動モデルの概念。

工業化の過程で農業部門から工業部門への労働力の移行が進み、農業部門の余剰労働力が底をついた段階のこと。

ルイスの転換点以降は、農業部門からの労働力の流入が無くなり、雇用需給が締まり、労働力の不足状態となるため、賃金率の上昇が起き、経済成長のプロセスにおける重要な転換点となる。

(引用:投資用語集)

 

つまり安価な農村の余剰人口を全て吸収してしまったがために、賃金の上昇が起きるということなので一見すると良いことのように聞こえます。

 

しかし、中国が世界の工場としての地位を築いてきた要因は他でもない賃金の安さです。

 

仮に賃金上昇がおこれば東南アジアや南アジアにい企業が移転を行うことは明白となり、産業の空洞化が進みます。

 

つまり、中国は現在の重厚長大の経済構造を早急に見直さないと、企業の大量の国外流出を招く結果となってしまうのです。

中国経済の減速リスク⑤:中所得国の罠にぶち当たる1人あたりGDP水準

新興国が先進国の仲間入りを果たす為に突破しなければいけない壁として、

1人あたりGDP10,000USDという壁が存在しています。

 

内閣府の『中所得国の罠』の定義は以下のようになっています。

「中所得国の罠」とは、多くの途上国が経済発展により一人当たりGDPが中程度の水準(中所得)に達した後、発展パターンや戦略を転換できず、成長率が低下、あるいは長期にわたって低迷することを指す。

(引用:内閣府)

 

過去20年で中所得国の罠を回避した国は韓国とシンガポールと台湾に限られています。

それ以外の国は成長が減速したり同水準で低迷しているのです。

中所得国の罠
(引用:内閣府)

 

そしてまさに今正に中国の1人あたりGDPは8600USDとなっており、

中所得国の罠にぶちあたろうとしているのです。

中国の1人あたりGDPの推移
(IMF Databaseより筆者作成)

 

中所得国の罠を回避する為にはルイスの転換点の欄でも説明した通り、

産業構造の抜本的な改革が必要となります。

 

いずれにせよ中国はサービス業や、

高付加価値産業への産業構造の転換が急務という段階にきていることが分かります。

総括:崩壊するとしたらいつが危険?

今までの分析から過剰な債務・過剰な投資・過剰な生産性・人口構造・GDPの水準と全ての側面で成長は難しく、

日本のバブルのようなクラッシュがいつ起きてもおかしくない状態です。

 

寧ろ日本や西欧諸国のような完全な資本主義経済であればとっくに崩壊していてもおかしくありません。

 

しかし、中国は強力な一党独裁であるため、政府がある程度クラッシュを避けるためにコントロールをすることが出来ます。

 

ただ抜本的な解決になるわけではなく延命処置を行うに留まります。

 

中国は独裁者としての地位を確固たるものとしている習近平国家主席が、2010年に2020年時点でGDPを2010年比で倍にするという目標を立てました。

 

まるで1960年代の吉田首相の所得倍増計画ですね。

 

習近平国家主席の言葉をたがえるわけにはいけませんので、中国は恐らく死に物狂いで2020年までは、

 

現在の6%程度の巡航速度での成長を維持するものと考えられます。

 

その為、私は中国は2020年を超えた時点で臨界点を迎えて、より深いクラッシュに陥るとみているので、

中国並びに中国と関係の深い国への投資は差し控える方針としています。

 

<中国株式投資マップ>国・株式市場のファンダメンタルズ分析・為替リスク・有望銘柄を紹介。

 

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