過去デノミを何度も味わったブラジルレアルの為替相場!現在の最大の関心事は金融政策ではなく政治の行く末。

過去デノミを何度も味わったブラジルレアルの為替相場!現在の最大の関心事は金融政策ではなく政治の行く末。

新興国株式投資を行う上で、見逃せないのが為替リスクです。

たとえ現地通貨ベースで大きく上昇したとしても、現地通貨が円に対して下落したら最終的な損益はマイナスになります。

私は仕事上、新興国の為替も取り扱っていましたので、

今後のブラジルの通貨レアルの動向について考察していきたいと思います。

ブラジルの通貨レアルと通貨制度

 

まずブラジルの通貨レアルについて簡単に見ていきましょう。

ブラジルレアルって??

1654年にオランダ人がブラジル北部でレアルという名称で紙幣を発行させたのが起源んです。

1790年のボルトガル植民地時代に独自通貨として旧レアル(通称:レイス)が導入され、1822年の独立した後も

使用され続けました。

レイスはその後、度重なるインフレによってデノミを行い続け、

1994年に現在のレアルになりました。

デノミとはデノミネーションの略で、通貨の単位を変えることです。

例えば今100円の缶コーヒーが極度のインフレで10万円になったとします。

すると現在の1円玉や10円玉の硬貨の価値ってミジンコみたいなものになってしまいますし、

100円ですら現在の1円よりも低い価値になります。

そこで現在の1000円を新1円に変換します。

というのがデノミです。

ブラジルは1942年~1994年の約50年間で6

回のデノミが行われたので、

ブラジルの歴史は常にインフレとの闘いであったことがよく分かりますね。

因みにこの52年間で

1000 × 1000 × 1000 × 1000 × 1000 × 2750 = 275京分の1というよく分からないレベルでデノミしています。

因みに京(ケイ)というのは、兆の更に1万倍です。

ブラジルレアルの通貨制度は??

各通貨には適用されている通貨制度が存在します。

例えば日本や米国のような主要通貨では市場原理に任せる変動相場制を敷いていますが、

ブラジルレアルは新興国にありがちな管理変動相場制です。

管理相場制は基本的には市場原理にまかせた変動を許容するものの、

急な変動時には介入をして為替レートを一定水準に収めますよという制度です。

ブラジルレアルのこれまでの動きをおさらい

以下はリーマンショック時からのBRL/JPYの値動きです。

一貫してBRL安、JPY高に傾いていますね。

BRLJPYの動き

 

リーマンショック時からはリスク回避の円買が継続して発生しましたが、その後はブラジルの個別要因が要因となっています。

前回ブラジルの経済・政治・財政を分析でお伝えした通り、資源国ブラジルにおいて資源価格下落が相当効いており、

更に政治でも汚職が連発したことにより混沌としていたということもあり、

BRLは売られ続けました。

リーマンショック時と比べると2分の1以下になっていますね。

ブラジル中央銀行の金融政策

先程書いた通り、ブラジルの通貨の歴史はインフレとの闘いでした。

ブラジル中銀が世界で一番インフレに恐怖を抱いているといえるでしょう。

ブラジル中央銀行の金融政策はインフレターゲットで3%~6%を目標としております。

2014年からの資源価格の下落により、通貨レアルの価値下落でインフレが発生するとすかさず金利を引き上げています。

14%まで引き上げてインフレを無理やり抑え込んでいますね。

ブラジルの政策金利とインフレ
(引用:大和証券)

金利引き上げ効果により、投資が抑制され人々の購買意欲も低くなったことで、

インフレは順調に減少し、現在は目標の下限の3%近辺にいます。

しかし。インフレをお抑え込む為に金利を引き上げすぎた結果、今度は国内定期が低迷しました。

以下ご覧頂くとわかるのですが、個人消費と総固定資本形成(=投資)の落ち込みが顕著ですよね。

ブラジルGDPの成長率需要面から分解の図

金利を引き上げると、借金をする意欲が著しく減退しますからね。

年利14%以上の住宅ローンなんか組んだ瞬間に破産の道しか見えません。

現在はインフレの鎮静化に伴い利下げを行い国内景気を浮揚させようとしている局面

ということが出来るでしょう。

ブラジルの国際収支

長期的な通貨の動向をみるにあたって国際収支を確認しておくことは重要になります。

国際収支は海外からどれだけお金を引っ張て来ているかという指標です。

海外からお金を引っ張ってこれれば、自国通貨に両替する需要が出てきますので、

自国通貨高に働きますが、反対に流出すれば自国通貨高となります。

国際収支は経常収支と金融収支に分かれますので、順にみていきましょう。

経常収支

経常収支は海外からビジネスでどれだけ稼いでいるかという指標です。

貿易収支は改善気味ですが、所得収支が大幅なマイナスとなり合計でマイナスの収支となっています。

所得収支というのは、海外からの投資を受け入れて、受け入れた企業が稼いだ利益を投資元の、

本国に還元させることによりマイナスになります。

(引用:三菱東京UFJ銀行)

新興国では投資を引き受けるので所得収支はマイナスになるのは当然です。

日本などの先進国では反対に投資を新興国に対して行うので、所得収支はプラスとなります。

金融収支

金融収支は海外からどれだけ投資を受け入れたとという指標です。

所得収支がマイナスということは海外から投資を受け入れていることの裏返しであり、

以下ご覧の通り金融収支のプラスは経常収支のマイナスを賄っております。

国際収支総括

国際収支は経常収支をまるまる財政収支によってなんとか賄っています。

国際収支によってレアル安にもレアル高にもなるということはなさそうです。

ブラジルレアル総括と最も注意すべきこと

今まで各国の為替分析を行ってきましたが、

現在のブラジルにとって重要なのはインフレでも国際収支でも金融政策でもなく、

混迷している政治の行方です。

 

現在ブラジルは財政赤字が急速に膨らんでおり、年金改革をはじめとした財政改革を行うことに待ったなしの状況です。

 

現財務省のメイレレス氏が2018年10月の大統領選で当選すれば、

財政改革に進展がみられる期待が高まりブラジルレアル高の方向に動きますが、

財政放漫型のルーラ元大統領が当選するような事態となれば、

ブラジルレアルは急落していきます。

 

いずれにせよ、ブラジル株に仮に投資をする意欲があるというのであれば、10月に行われる大統領選を見届けてからのほうが良いでしょう。

 

<ブラジル株式投資マップ>国・株式市場のファンダメンタルズ分析・為替リスク・有望銘柄を紹介。

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